N-One RSを所有して半年以上経過したので長期レポート的なものを書いてみました。
これからN-One購入を検討されている方の参考になれば幸いです。
我が家のN-One仕様
年式:2022年式
型式:JG3
グレード:RS
トランスミッション:MT
メリット
デメリット
最も最初にメリットとしてあげたいのは、やはり走りです。
S660譲りのミッションはシフトはがっちりしていて、下手なスポーツカーよりシフトフィールが心地良いです。
3気筒のエンジンのバラついたノイズは軽自動車らしからぬ太い音量が適度に車内に入ってくるので、
街乗りでも十分に楽しめます。むしろ高回転まで回してしまうと伸びがサチレートしてしまい、
軽自動車特有の安っぽい音質になってしまうので、ぶん回してキビキビ乗るというより、
Road Sailingのコンセプト通り、自分のリズムで楽しみながら乗るスタイルがキャラクターに合っていると思います。
その昔、S660の当初のコンセプトは、肩を張らずに純粋に運転を楽しめるよう、ユルスポ(ゆるーくスポーツする)
というものだったそうですが、結局紆余曲折を経て結局ガチスポ(ガチでスポーツ)に様変わりしてリリースに至りました。
この話は有名ですが、N-One RSはS660の初期コンセプトに合致した商品だなあと個人的には感じております。
実際エンジンフィールも高回転域は安っぽいと表現はしましたが、ギア比の影響か、フライホイールの影響か、はたまた
エンジン自体のメカロスの影響かは定かではないですが、高回転域まで一気に吹け上がってしまう感じは
さすがに往年の“エンジンのホンダ”を感じさせてくれます。
むしろ我が家のファミリーカー、カングー(1.2ターボ6MT、112ps)よりもパワフルに感じます。
ボーっとしてると、すぐにレッドゾーンまで回ってしまいまうので、積極的にシフトアップするような、せわしい運転になるのですが、
低速トルクが十分にあるので、シフトダウン回数はカングーより少なくて済むので、圧倒的にラクです。
カングーでは1段落とさなければいけないような坂道でもN-Oneではその必要はありません。
発進時もストレスが無く、カングーは1速⇒2速のトルク落ちが激しいので、踏まないと失速するし、
逆に、踏みすぎると急加速してしまうので、スムーズな発進にコツがいりますが、N-Oneは気遣い無用です。
この気遣いがカングーの楽しいところとも言えるのですが、機械である以上“時代相応の性能”が必要という観点では
カングーは劣っていると表現せざるを得ません。
また、動力性能以外で特筆すべきは乗り心地で、このようなスポーツモデルにはあるまじき、フワフワ感があります。
これは、賛否両論あるところですが、個人的にはとても気に入っています。
ゆるスポコンセプト通り、多少スポーティーさも残しつつ、快適性は失わないニッチなところを攻めているので、
かえって“キャラ立ち”している印象です。ミニバンですらガチガチに足を固めてしまうHondaにしては珍しい味付けではないでしょうか。
嫁さんの決め手も乗り心地で、普通のN-Oneよりスポーティーな見た目なのに、乗り心地が良いことを気に入って購入に至った感じです。
軽自動車と言えども、何も我慢することが無いほど装備が充実していることがメリットの2点目です。
普通車に付いていて軽自動車に付いていないものが無いという程に豪華です。
(その代わりコミコミ200万オーバーという、少し前の普通車並みの価格ですが…)
それでも、寒い時のシートヒーターはありがたいし、狭いところに停める際のコーナーセンサーも役に立ちます。
Gセンサーやブーストセンサーも面白いし、オートハイビーム機能は優秀で、
前の車や歩行者を検知して素早く切り替えてくれるので安心感があります。
当初はあくまで、嫁さんの通勤車として考えていたのですが、
あまりにも便利で快適なので、最近は荷物を積まないのであれば、
家族4人乗車で移動するファミリーカーとして活躍しています。
これは個人的な主観になりますが、やはり良いデザインだと思います。
スタンダードな軽自動車のハッチバックスタイルでありながら、全高を1545mmまで高く設定したことにより、
デフォルメ感が生まれて、より可愛らしい、チョロQのようなスタイリングに仕上がっていると思います。
最近の車はより低く、キャビンは小さく、4輪を可能な限り踏ん張ったような台形スタイルが流行っているので、
このような腰高なデザインは逆に個性的です。
N-Oneも新型では台形効果を狙ってリファインしてはいるのですが、居住空間を全く犠牲にしていないところは偉いな!と思います。
特に、助手席のデザインは秀逸で、グローブボックスも確保しつつ、足元スペースを広くとっているレイアウトは素晴らしいの一言です。
MM思想がきっちり継承されております。
この腰高デザインが、逆に走りに悪影響とは思いますが、アルトワークスのようなハードコアモデルを目指すのではなく、
可愛らしさと純粋な走りの楽しさと利便性を追求したモデルであることが外観から理解することが出来ます。
外観と車の性能がコンセプト通りにマッチしている車って多いようで実は少ないです。
センタータンクレイアウトを採用したN-BOXのプラットフォーム流用するとなると、どうしても腰高になってしまうので、
スポーツモデルは作りづらいという都合の問題もあるのかもしれません。
また、初代N-One(JG1,JG2)から、ほとんど変更点のないデザインに普遍性を感じます。
但し、内装は最新のHondaラインナップのシビックやベゼルのような水平基調のシンプル路線の方がコンセプトには合っていると思います。
ちょっと前のHonda車のような□や〇や△がうるさいくらいに重なり合うデザインはゴチャゴチャしていて
逆に残念なポイントです。
デメリット
続いてデメリットです。もし車が1台しか所有出来なかったら?となるとN-Oneは候補になりません。
あくまでもセカンドカーです。確かに何も不満は無い装備のおかげで快適ではありますが、
高速道路での直進安定性やワインディングを、きびきび走るには、どうしても動力性能やシャシー性能が約不足なのと、
積載性もN-BOXには劣ってしまうので、その点でもっと良いクルマはいくらでも存在します。
ファーストカーに趣味性の高い車を保有していて、日常使いでも我慢することなく
楽しくカーライフを送るためのセカンドカーとして、であればこの車はオススメと言えます。
要は何を基準に車を選ぶか?で変わってきてしまいますが、同クラスのアルトワークスに比べると
私の中では圧倒的にN-Oneです。
装備が充実していることをメリットで述べましたが、使わない機能も多々あります。
その代表例はHonda Sensingです。
一度高速でACCを試しに使いましたが、その後全く使わずじまい。
自分で運転したほうが楽しいし、ACCは無駄に加減速してしまうので燃費に悪影響です。
また車線逸脱装置や歩行者検知システムが誤作動を起こしたりするので、
このような中途半端な代物ははっきり言って不要。
これは機械の不具合というより、まだまだ技術が発展途上だということです。
運転支援機能は自動運転レベル3が一般道で使えるようにならない限りは価値は無いでしょう。
もちろん、このような機能が付いていると保険金が安くなったり、
メーカーとしても、適用できる技術はどんどん実戦投入して、データを取らなければいけないのは理解しますが、
オプションにして、その分車両価格を安く抑えられる方が個人的にはありがたい。
MT車を選ぶ人が運転支援機能を欲しがるとは思えないのになぜ?というのがホンネです。
その分軽量化して、価格を抑えてくれる方がよっぽどありがたいのに。
上記のようなことが出来ないのは、製造的な制約もあるのでしょう。
特にN-Oneのような生産台数が少ない車に対し、MT車だけ装備を省く仕様を作るのは逆にコストがかかる場合もあります。
装備を省くのに、わざわざ異なる工程や専用部品を追加しなければならないケースもあるからです。
それに法規対応やSDGs的に交通事故ゼロを目指さなければいけない以上、
そのような不安全なクルマは作れない!
という企業理念的な事情も理由として大きいかもしれませんね。
最後は積載性。これも仕方ないことなのかもしれませんが、我が家は共働きのため、買い物は週1であり、
ある程度の量の買い貯めが必要です。
すると、スーパーの買い物カゴ2個は必要になるのですが、これがギリギリ入りきらない。
仕方なく、子供たちには我慢してもらって、後部座席の下に置いているのですが、
クリアランス的にあと少し荷室が大きければ!といつも思います。N-WGNならば入るのかもしれません。
まあ、既に軽自動車規格ギリギリのサイズなので、これ以上は贅沢というものかもしれませんが、
動力性能、豪華装備、積載性の3つ揃ったN-BOXが売れ続けているというのは必然なのでしょうね。
ということで、メリット・デメリット3つずつ上げましたが、納車から半年以上経ったいまでも、
総合的に買ってよかったと思っています。
なにせ壊れない!ということが素晴らしい。この半年で貰い事故にあった以外は何も不具合が無く、
カングーの信頼性に比べると品質、信頼性が雲泥の差です。
まとめると
壊れないし、走りも利便性も◎“キャラ立ち”したコンセプトと飽きの来ないデザインは所有欲を満たしてくれるが、
あくまでセカンドカーとしての位置づけ。
価格が高いので、運転支援機能を外した廉価版が欲しい!
といったところでしょうか。