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彗星を見に行く

緊急事態宣言も解除され、ようやく東京の感染者も落ち着いてきたので、友人に誘われて都内のある所へ。

訪れた場所は靖国神社。ここでピンと来た方はすごい!

靖国神社と言えば言わずと知れた戦没者を祀る神社として有名ですが、この境内に遊就館という、近代日本が経験した戦争の歴史を残した博物館があるのです。

友人はこの中にある、日本で唯一現存する艦上爆撃機“彗星”が見たかったらしく、今回はそれを目的に訪れたのでした。

建物に入ってすぐ、ゼロ戦が展示されておますが…

友人はさっと見ただけで、あまり目もくれず、拝観料を払ってさっさと中へ。

さすがに中の展示物はそれなりに見ておりましたが、メインイベントの彗星が気になるらしく、そわそわしている様子。

個人的には、司馬遼太郎が好きなので、維新から日中日露戦争の展示物はもう少しじっくり見たかったところですが、それはまたの機会にすることにしました。

で、見学コースの一番最後の大展示室で、ついに彗星とご対面。

ゼロ戦は真珠湾攻撃から大戦末期まで生産機体も多く、戦争通じて活躍が目立っていたため、今なお人気ではありますが、

彗星は爆撃機ながら最高速がゼロ戦より速いという高性能を持ちながら、水冷エンジンであるが故に整備にノウハウを要し、兵器として使いこなせなかった、という儚い一面が、友人曰く魅力なのだとか。

これが、その水冷エンジン。自動車のエンジンと違いクランクシャフトが上部についており、コックピットの視界を確保する工夫がされています。

ただ、こちらのエンジン、ダイムラー社からのライセンス生産を行っていたそうですが、物資不足や工作機械等の生産設備が無かったため、

どうしても材料強度不足や寸法精度不足でトラブルが多発したそうです。

冷却水も沸点を抑えるエチレングリコールが手に入らないことから水で代用しており、加圧することで沸点低下を狙ったそうですが、それによる冷却水漏れにも悩まされたのだとか。

合わせて水冷エンジンの整備経験も当時は乏しかったため、運用は難航したのでしょう。結局空冷エンジンで製造された機体も多かったようです。

昔は好きで博物館に行っても、ただカッコイイなー…くらいにしか感じることが出来ませんでしたが、実際に自分でバイクや車をいじるようになって、

その辺の歴史や、当時の苦労なんかを肌感でわかるようになって、友人とあーだこうだと論じられるようになり、

展示物を今までの数倍楽しんで見れるようになりました。

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