エンジン本体はクラッチの交換まで行きたいところですが、工具が足りないので、今回はヘッドからバルブの摘出を行います。
摘出にはバルブスプリングコンプレッサーという専用工具を用います。
片方をバルブの下面に当てて、もう片方にスプリング径にあったアタッチメントを取り付けたうえでスプリングに押し当てます。レバーを動かすことでバルブを押し込み、コッターピンが浮いてきたところを、マグネットで回収します。ピンが外れたら、レバーを基に戻すと、バルブとスプリングが抜けてくれるという仕組みです。
と簡単に記載しましたが、初めてだったこともあり少し苦労しました。コンプレッサー自体も重いので、張力をかけていても、回ってしまい、当て面がずれてしまいます。本当はもう一つ手が欲しいところ。
外したバルブとスプリング類。真っ黒ですね。
このエンジンバルブは2重構造で、インナースプリングに至っては可変ピッチスプリングです。
最近のバイクのエンジンはわかりませんが、単気筒にしてはかなりこだわって作ったエンジンではないでしょうか。
おそらく現在ではこのようなコストのかかった構造は採用されないように思います。
バルブを外したらバルブステムシールを外します。ステムシールはワイヤーで止まっているのですが、そのワイヤーを外すのが厄介でした。
まずワイヤーの始点を探すのが至難の業。しかもその視点がヘッドの壁際だった場合はピンセットが差し込みづらく、ちょっと浮かせた好きに素早く差し込んで
一息で抜き取らないといけないので、かなりの集中力を要しました。ここでプラモデル並みの細かい作業を強いられるとは思わなかった。
これでヘッドについていた部品は全て外すことができました。
今回外したバルブ類のパーツは元々どこについていたか、忘れてしまわないように簡易的な入れ物で仮置きして写真に収めておき、ラベリングをしてケースに保管して作業終了。
